我々の生活には自分自身やごく周囲のみで守りたい部分と、ゲストも積極的に招き入れたい部分の二面性を持っているといえる。そこで「プライベート・ゾーン」と「パブリック・ゾーン」の明快な区分をプランに内包させることで、暮らしやすさの向上をねらった。それは私生活やSOHOに自信と抑揚を与えてくれるだろう。

また、双方の中間領域を「ウェルカム・ゾーン」とすることで、住み手による積極的な空間づくりへの喚起を促した。ここはゲストを迎い入れる最初の接点、住み手があらわになる最初の場所である。住まいの顔としてのふさわしさ、何よりその風格を所有する自信は、人をもてなす歓びをいっそう引き立てる。ここを通過し一気に広がる奥舞台はアプローチの感動を最高潮へと導くだろう。

グルメ・コア」は、そこに仕込まれた建具によってパブリック・ゾーンの使い方にバリエーションを与える。同時に「SOHOアトリエ」まで連なるカウンターは、広がりと奥行きと良い使い勝手をつくりだす。そして個室の直近に配された「リラクゼーション・コア」と、「ストック・エリア」に集中した収納ユーティリティーは、便利な上に安心感を与え、扱いやすいホテルライクな日常を提供する。これらのコアは奥への採光を増しながら空間の雰囲気を閉ざさぬように設置され、回遊性のある自由な空間づくりの基本となっている。

思わず深呼吸したくなるような佇まい、何処よりも完全に安心して過ごせる場、しかもそれが、自ら仕上げられる場。だとしたら、歓びはいっそう増すはずだ。そして、その最高のステージは、きっと隣人にも伝えたくなるに違いない