Credit : SHIMADA,Hiroshi / SKM
長野県旅館増改築及新築 1997 P-1/2
■スイスシャレーをモチーフにした新築棟(右端) 昔からあるモミの木を囲むように左側の既存棟から連なっている。手前の広場はオーナーの手によって仕立てられた。 手前の旗は、オリンピック開催時にスウェーデン選手の常宿に選ばれたエピソードにちなんで掲げられている。
■伝統の継承と和洋折衷の調和 白馬は日本アルパイン発祥の地である。山小屋の管理人を努め、昭和を力強く生き抜いたこの民宿も、新たな変革を求められた。1998年に行われた冬季オリンピックが発意の源でもある。 オーナーのスイスアルパインのへの敬意、老朽化した既存棟の改善、新しい時代への適応、これらの要素を合理的に組み立てる解答を模索した。 既存棟の奥深い風合いは是非継承すべきものだが、スイスアルパインのイメージと混合することは難しい。そこで、既存棟を増改築することで伝統を継承し、客室棟を新築することで表現の区別を明確にすると共に、宿泊客のキャパシティーを増大することにした。 またこの場所はゲレンデから比較的距離がある反面、敷地に余裕がある。当時進んでいたオリンピック整備で搬出される残土を運び入れ、敷地の余剰部分をなだらかな芝生の広場に仕立てた。これはオーナーの熱意の結果である。それは、この場所をオールシーズン対応にし、敷地内にプチ並木道を創り上げることになった。 これから経過する時代もが楽しみな施設となった。